広済鍼灸院の不妊鍼灸専門治療 |
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Acupuncture treatment of Infertility |
妊娠に適した身体をつくるために必要なこと
人の性格と同じように、体質も人それぞれ異なります。実際に当院にいらっしゃる方に丁寧に問診を進めていくと、「不妊」という共通のお悩みを抱えながらも、それぞれの方に異なる不調を持ち合わせていることがあります。西洋医学的な検査では異常が見つからなくとも、何らかの不調を抱えていらっしゃる方も少なくありません。
しかし、不妊と一見関係なさそうなお体の問題を解決すると、着床が上手く行かず何度も流産を繰り返していた方が妊娠したり、高齢で出産を半ば諦めていた方が妊娠された例が広済鍼灸院では多々みられております。ゆえに、なんらかの不調や体質的な問題が妊娠の障害となっていることも考えられます。
不妊の鍼灸治療とは妊娠の障害となっていると思われる問題をひとつひとつ取り除きながら、体調を本来のあるべき姿に戻していく工程ともいうことができます。広済鍼灸院では鍼灸治療だけではなく、皆様にご自身でできる体調改善に役立つツボの刺激法や東洋医学的な健康法をアドバイスすることもあります。
広済鍼灸院では初診時に検査数値を拝見させて頂くことがありますが、鍼灸治療を続けていくと数ヶ月後に各種ホルモンの数値や子宮内膜の厚さが安定化する場合があります。経験豊かなスタッフと二人三脚でご指導させて頂きながら、赤ちゃんを迎えるための、妊娠に適した身体をに仕上げていきます。
広済鍼灸院には数多くの実績があります |
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広済鍼灸院では、不妊を単に子宮や卵巣機能の低下が招く問題としてではなく、体質的な問題が大きく関与していることと考えております。例えば、冷え症、寝汗が多い、また眠りが浅い、疲れやすい、といった一見病気ではない不定愁訴を抱えておられる方が多い傾向がありますが、広済鍼灸院ではそのような症状を速やかに解消させることで、妊娠に適したベストな状態にお体を仕上げていくことを目標にしています。

プライバシーの保たれた安心した環境 |
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施術は、出産や育児の経験を持つ女性鍼灸師が担当することも可能です。妊娠中や出産後の体調管理に関するご相談も、安心してお任せください。
さらに、初診時には医学的検査のデータ(月経周期体温グラフ、ホルモン値、または精液検査など)のコピーをご持参いただけますと、より効果的な治療計画の参考になります。
鍼灸治療についてのご質問やご要望がございましたら、どうぞお気軽にお電話またはメールにてお問い合わせください。皆様のご相談をお待ちしております。
不妊の原因について |
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不妊症とは医学的には「妊娠を望み1年以上定期的な性生活を営んでも妊娠に恵まれない場合」(日本産婦人科学会)と定義されています。さらに,妊娠経験の無いケースは原発性不妊症、妊娠の経験があるがその後妊娠しないケースは続発性不妊症と分類されております。
不妊症の原因には様々な原因が考えられますが、実際に不妊治療専門の医療機関を訪れる患者の約90%は原因不明の機能性不妊症であるとの報告があります。
機能性不妊症とは卵子や子宮の形状に特に問題が無いにもかかわらず妊娠できない場合の不妊症をさします.反対に器質性不妊症は 主として子宮筋腫や子宮内膜症、卵管閉塞等の生殖器に何らかの問題がある場合のことをいいます。 男女別では不妊症の原因の約5割は女性で、男性が約3割、双方の原因が約2割であるといわれています.
鍼灸と不妊治療とかかわり |
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補助生殖医療(ART)が発達するにつれて不妊症の方々の妊娠確率は大きく向上しました。しかし、ARTによる妊娠率は30%程度であることから、不妊症の確実な治療方法としては確立されていません。原因のひとつに子宮への着床障害が考えられ、西洋医学的見地においてもその原因については不明であると考えられています.
東洋医学における不妊治療に関する記述は、5世紀頃に書かれた書物(『諸病源候論』、『黄帝素問女胎』など400篇以上の書物がありました。)にも著されており、すでに婦人科領域における疾病概念として分類されていました。不妊治療の場合、鍼灸は西洋医学的手段と合わせる事でより妊娠の可能性を高めることができます.
鍼灸では子宮および卵巣の器質的な問題が除外された上で治療を開始します。鍼灸治療での不妊症に効果があるものとしては、卵、胚の質の改善と着床側の子宮内膜の環境改善です.
子宮内膜の3層構造 |
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医療機関で不妊治療を受けていてもなかなかよい結果が出ない方もあきらめることなく、鍼灸を併用することで妊娠しやすい体づくりをしていくことが着床率や妊娠確率を高めることにつながります.
エビデンスに基づいた不妊症の鍼灸治療におけるデータ |
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国外では科学的観点から鍼灸の不妊症に対する効果研究を行った例は年々増加しつつあります。不妊症における鍼灸治療は子宮内膜形状不良などの内膜障害と高プロラクチン血症の患者に対して効果的であるといわれています。プロラクチン(乳汁分泌ホルモン)は強いストレスにより過剰に分泌されることが知られており、このストレス由来の機能性不妊に鍼灸治療が有効です。
その他の医学研究事例もございますのでこちらもご参照ください。
ARTと鍼灸 |
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子宮内膜形状改善率と妊娠率
子宮内膜の形態、血漿エストラジオール、プロゲステロン、白血病阻止因子とオステオポンチンに対する鍼の影響 |
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Acupuncture on the Endometrial Morphology, the Serum Estradiol and Progesterone Levels, and the Expression of Endometrial Leukaemia-inhibitor Factor and Osteopontin in Rats. |
Fu H1, He Y, Gao Y, Man Y, Liu W, Hao H. |
1Department of Obstetrics and Gynecology, Union Hospital, Tongji Medical College, Huazhong University of Science and Technology, Wuhan Hubei 430022, China. |
【解説】
鍼治療がホルモンにどう影響するかについて調査した論文です。子宮内膜の形態、血漿エストラジオール、プロゲステロン、白血病阻止因子とオステオポンチンとは子宮内膜受容性因子と呼ばれる血中物質で、これらの物質(因子)が血液中に増えることで着床が進行し妊娠に至る状況を示す指標になっています。鍼治療が着床や卵の成長によい影響を与えるならば、こういった因子が増加するのではないか、という仮説に基づいて行われた研究です。
この研究のポイントは、クロミッドを処方したラットを使用していることです。クロミッドは排卵を促進誘発させるホルモン薬ですが、使用時には副作用が発生するリスクがあります。クロミッドの副作用として、一定周期以上服用し続けると、頚管粘液が減少することが指摘されています。頚管粘液は、排卵期になると分泌が増え、精子を子宮まで到達させるために大切な役割を果たすしていますが、減少によって妊娠に最適なタイミングを逃す恐れがあります。また、受精卵が着床するために必要な子宮内膜が薄くなるといった副作用もあることで妊娠の確率低下を招きます。
現代の不妊治療にはホルモン剤を使用した治療が多く行われていますが、反面、薬剤の副作用という問題点がありますが、副作用の軽減が妊娠確率の向上と健康な妊娠維持のためにも必要です。そこで鍼治療を同時並行すると副作用が減るのではないか、といったこともこの研究を行う上での目的となっています。
結果では、実験方法は対象ラット33匹を11匹ずつ、CC(クロミッド処方)群、AC(鍼群)群、NC(無処置群)群の3つのグループに割り付けて、それぞれの子宮の状態、卵巣のはたらき、また血液の状態の経時的な変化を一定期間観察しながら比較しました。
結果では、AC群(鍼治療を行ったグループ)ではCC群に比べ、子宮腺の発達が進み、血清エストラジオールのレベルが有意に減少しました。「子宮腺の発達が進んだ」ということは、本来クロミッドを処方されると副作用により子宮腺の発達が阻害されることがあります。CC群ではNC群と比較すると予想通り子宮腺の発達が観察されませんでした。血清エストラジオールレベルの減少も、通常クロミッド処方により過度に上昇しますが、過度の上昇は多胎などのリスクを高めます。しかし、AC群ではその上昇が抑えられ、NC群の値に近かったことは鍼治療が副作用の影響を緩和していると考えられます。
子宮内膜腺領域と白血病阻止因子(LIF)およびオステオポンチン(OPN)については、クロミッドを処方した場合、その発現が抑えられる傾向がありますが、CC群と比較して鍼治療群では有意に高かったことを示しております。一方、血清プロゲステロンレベルは、AC群、CC群ともに子宮内膜の厚さにでは有意な差は見出されませんでした。以上の結果から、鍼治療が排卵誘発剤を使用中でも、より良い子宮内膜の状態をもたらす可能性のあると結論づけられています。
過去4年間に専門医療機関においてARTを3周期以上行っても妊娠に至らなかったケースにおける不妊鍼治療の効果 |
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【解説】
この研究は,不妊原因が子宮内膜形状不良と診断された人たちを対象に鍼灸の効果を検討したものです.通常,子宮内膜形状不良と診断された場合,治療法として子宮内膜の状態改善のために,ホルモン補充周期を用いた子宮内膜調整法が行われます.しかし,子宮内膜調整法を2周期以上繰り返し行っても,子宮内膜形状が一定の基準(6mm以上、3層構造)に至らな場合があります.そのような状態では通常胚移植を行えません.この研究では,子宮内膜形状が一定の基準に満たず,胚移植を行えなかったケースに鍼灸治療を行った結果,どのような変化が見られたか,について報告されたものです.
当院でも不妊鍼灸治療のプログラムを組む場合,1クールを約3ヶ月間(1回/週)を目安に設定しておりますが,ここでは鍼治療を3クール(1クール7回)以上継続した57例(115周期)の経過を観察しました.その結果によると,子宮内膜形状が一定基準を満たしたものは、57例中31例(54.4%)で、すなわち54.4%に改善が見られております.加えて,改善群した31例に胚移植を行うと、その内14例(45%)が妊娠に至りました.
さらに,ART1周期目の非改善率、非妊娠群のうち、継続して鍼灸治療を行い、2周期目のARTを行ったものは24例で、そのうち改善群は18例(75.0%)、妊娠群8例(44.4%)、 3周期目には改善群は5例中3例(60.0%)、妊娠群は2例(66.7%)となり、結果24例が妊娠に至っています。このことは骨盤内腔の環境改善が子宮の機能を高めることにつながったものと考えられます。
以上のことから,子宮内膜形状など子宮の機能改善に対しても鍼灸治療が有効であると考えられます.
(参考文献:医道の日本 第752号 2006年より)
胚移植機能障害のラットにおけるプロラクチンとプロゲステロンの発現上昇に関する鍼治療の効果 |
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Effects of acupuncture on progesterone and prolactin in rats of embryo implantation dysfunction. |
Xiong F1, Gui J, Yang W, Li J, Huang GY. Chin J Integr Med. 2014 May 6. |
【解説】
胚の着床不全(EID)状態が人工的に作り出されたラットに鍼治療を行い、その結果、プロゲステロン(P4)およびプロラクチン(PRL)にどのような影響が出るかを調査した論文です。
研究の方法は72匹の妊娠ラットを正常妊娠のラット、胚の着床不全(EID)モデルラット、鍼治療群およびプロラクチン(P4)グループ(各群18)の合計4グループに割り当てて行われました。正常妊娠群以外のグループでは薬剤を用いて胚の着床不全状態が人工的に作り出されています。そのため妊娠した状態を示す指標であるホルモンの数値は、正常妊娠ラットでは通常通り増加しますが、それ以外のラットではプロゲステロンおよびプロラクチンは上昇しないように設定されています。
実験結果から正常妊娠群と他の群と比較したところ。鍼治療を施したグループではEIDモデル群と比較して、血清中のプロゲステロンおよびプロラクチンの値が上昇したことが観察されました。つまり、ラットが妊娠が進行していないにもかかわらず、血清中のプロラクチンおよびプロゲステロンが増えている現象が観察されたのです。
この現象が生理学的に何がどう作用して起きたのかは今後の研究の課題になりますが、
鍼治療には、胚移植後に不可欠な生殖ホルモンの分泌を促進する効果が関係することが実験結果から示唆されています。
* 妊活に関するご質問等がございましたらお気軽にご相談ください。
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