痛み,不妊,音楽家の鍼灸治療
100年の歴史 鍼灸専門
広済鍼灸院 
東京都港区元麻布2-1-21
(中国大使館隣)
ご予約: 03-3445-0887
痛み,不妊,音楽家の鍼灸治療【100年の歴史 鍼灸専門】  東京都港区元麻布,広尾,六本木 
                                                    ご予約:03-3445-0887
 
診療時間:9:00-13:00, 15:00-18:00, 休診日:木曜日 
 

更年期障害と鍼灸について
menopause disorder and acupuncture

更年期と更年期障害

 更年期障害は個人差があり ,症状も多様性に富むため,体質的問題や悩みなどを詳しく聞いた上で,各々の症状に適した治療を行います.
 当院では自律神経のはたらきを調整する鍼治療の処方のひとつである中医理論に基づいた全身調整を行うことで,自律神経(交感神経・副交感神経)やホルモンバランスを整える事により,下記の表に示した更年期障害に伴うさまざまな症状を和らげることができます.
 我が国の女性の閉経年齢は平均50.5歳といわれており,更年期とは閉経前後5年間くらいの時期をさしています.しかし,更年期になると卵巣機能が低下することにより,女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が急激に減少していきます. このことが更年期症状の発症がエストロゲン分泌の低下と密接な関係があるといわれている所以です。
 このような変調を引き起こす原因は,加齢に伴う卵巣機能の低下が女性ホルモンの分泌を司る脳内の視床下部―下垂体の神経活動に変化をもたすことにより,自律神経失調症状をはじめ,気分変調や内分泌•免疫系の失調症状をきたすと考えられています.
 更年期はどの女性でも必ず経験するものでありますが,更年期に伴う何らかの症状を訴える割合は全体の約75%といわれています.日本産婦人科学会によると,更年期障害を「更年期に現れる多種多様の症候群で,気質的変化に相応しない自律神経失調症を中心とした不定愁訴を主訴とする症候群」と定義しています.すなわち,更年期障害とはこの期間に生ずる不定愁訴を更年期症状といい,そのうち約20%が日常生活に支障をきたすほどの症状を訴えるといわれています.

更年期障害の症状

 女性ホルモンは,成長だけではなく自律神経や脳,骨,血管にも作用し生命活動には欠かすことのできない働きをしています.女性は男性と異なり月経という女性固有のライフサイクルが持っています.そのため更年期に限らずとも月経によって起こるホルモンバランスの月内変動は環境や精神的ストレスなどの外的因子の影響を受けやすく,そのバランスが崩れると,様々な症状を引き起こすこしやすくなっています.
 また,生活環境やストレス,個々の性格なども大きく影響を及ぼすと考えられており,症状としては下記の様なものが挙げられます.

血管運動神経系

ほてり•のぼせ(ホットフラッシュ),冷え性,息切れ,動悸, 心悸亢進

神経系

頭痛,頭重感,めまい,不眠,耳鳴り,イライラ,

不安・恐怖,もの忘れ,疲労感,倦怠感,うつ.

運動器系

肩こり,腰痛,関節痛,腱鞘炎,骨粗鬆症.

消化器系

吐き気,嘔吐,食欲不振,偏食,過敏性腸症候群,胃,十二指腸潰瘍.

皮膚,粘膜

多汗,冷汗,口渇,唾液分泌増,皮膚のかゆみ.

脱毛,白髪の増加,円形脱毛症.

泌尿器系

頻尿,残尿感,失禁.

婦人科系

月経異常,閉経,おりもの.

その他

肥満,高血圧,動脈硬化,糖尿病,

うつ,視力減退,眼精疲労,老眼,白内障.

  上記の症状においては,器質的疾患がないことが更年期障害の診断基準になっています.

東洋医学 、鍼灸における更年期障害の治療

 更年期障害の鍼灸治療では子宮の働きを整える治療と同時に腎機能の変調を整えることを重要視しながら治療を行います. 
 東洋医学では骨盤内腔や子宮及び卵巣での血の滞り(瘀血:おけつ)を更年期障害と関連付けています.更年期障害に対する東洋医学的な治療法は個人特有の症状に対応することができます.
 近年では鍼灸治療における自律神経調整作用や女性ホルモンの分泌促進作用(三陰交への刺激によるプロゲステロン産生能力の回復)に関しては科学的な裏づけがあるとの論文発表もされています.
 ホルモン補充療法(HRT)<※>と比較して,本来生体に備わった調整機能や自己治癒力を用いた鍼灸治療は副作用のない安全な治療法であると同時に、慢性的な筋肉の過緊張(慢性的な重度の肩こりや腰痛など)や不定愁訴の改善にも同時に対処することができます.

鍼灸の更年期症状の効果に関連する研究報告

 当院ではスタッフ一同で英文論文の抄読会を随時行うことで、科学的な理解も深めております。また、鍼灸治療の効果をより高めるため、伝統的な鍼灸治療に最新の研究成果を取り入れた治療を行っております。下記に信頼性の高い研究からの論文をご紹介しておりますのでご参考ください。


PMSと生殖ホルモンへの鍼治療の効果
The effect of acupuncture on postmenopausal symptoms and reproductive hormones: a sham controlled clinical trial.
Sunay D1, Ozdiken M, Arslan H, Seven A, Aral Y. Acupunct Med. 2011 Mar;29(1):27-31.
【解説】 鍼治療は一般的に更年期症状やその他の女性系疾患を治療するために使用されていますが、この研究では鍼治療の更年期症状に対する効果について、ホルモンレベルがどのように変化しているかといった視点から調査したものです。
 女性は50歳前後になると、月経を周期的に起こすための調和のとれた卵巣での女性ホルモンの産生分泌が行われなくなるために、月経は消失し閉経します。女性ホルモンは閉経後数年で不足した状態になりますが、卵巣からホルモンが出なくなると、下垂体ホルモンである卵胞刺激ホルモン(FSH)、黄体化ホルモン(LH)の、血中濃度が高くなり、ほてり、のぼせ・発汗、不眠などの更年期症状として影響を及す場合があります。
 この研究での調査方法は、53人の閉経後の女性を鍼治療グループ(N=27)と偽鍼のグループ(N=26)の2つのグループに振り分けて行われました。そして更年期症状を評価するために、更年期評価尺度(MRS)を用いて評価されました。また、血清エストラジオール、卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体形成ホルモン(LH)レベルといった各種ホルモンの値は、治療開始時と最後の治療の後に測定しされベースライン(治療開始時)でと比較されました。
 その結果、更年期評価尺度(MRS)、および体細胞および心理的尺度のスコアは、偽鍼グループ(すべて p=0.001)よりも鍼治療グループで有意に低く、ホットフラッシュ(のぼせ)の程度も、鍼治療群では治療(p= 0.001)の後に有意に減少したことが見出されました。また、鍼治療群では黄体形成ホルモン(LH)とエストラジオールレベルは鍼治療後に(それぞれp =0.046およびp =0.045)、偽鍼群よりも有意に高くなったことが見出されています。しかし、FSHに関しては鍼治療群と偽鍼群との間に有意な差は見出されませんでした。
 以上のことから、鍼治療は更年期症状に伴う諸症状を減らすことに貢献する治療法であることがこの研究から示唆されます。
 
※ホルモン補充療法(HRT):低下する女性ホルモンを補うことで更年期症状を緩和しようとする治療法.米国国立衛生研究所(NIH)によるホルモン補充療法の大規模臨床試験が当初15年計画で開始されたが,乳がん,冠状動脈性心疾患,脳卒中,肺塞栓症のリスク増加が確認されたため中止となった.現在米国ではこの療法は危険性があるため行われていない.

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