痛み,不妊,音楽家の鍼灸治療
100年の歴史 鍼灸専門
広済鍼灸院 
東京都港区元麻布2-1-21
(中国大使館隣)
ご予約: 03-3445-0887
痛み,不妊,音楽家の鍼灸治療【100年の歴史 鍼灸専門】  東京都港区元麻布,広尾,六本木 
                                                    ご予約:03-3445-0887
 
診療時間:9:00-13:00, 15:00-18:00, 休診日:木曜日 
 

腱鞘炎(Tenosynovitis)

腱鞘炎について

 腱鞘炎にはいくつかの原因がありますが、音楽家の場合では演奏動作にみられるような過剰な手指の巧緻動作や反復運動がその原因と考えられています。演奏運動は, 前腕の特定の筋のみを使う動作であるため、スポーツのような全身運動と異なり、筋の疲労を感じることが遅れることで、自覚症状として疲労を感じる時には筋や神経が過度に疲弊している状態になっている場合があります。
 そのため、指運動のオーバーワークは休息やケアが不足すると、腱鞘(指の腱を包んでいる鞘)に炎症が起こりやすい状態が作り出されます。腱鞘炎が起こると運指運動が痛みのため困難になることから演奏行為に支障をきたすようになります。

腱鞘炎の好発部位 手首の構造(手掌側) 腱鞘炎のイメージ図 母指側に痛みや腫れが起こる特徴があります。 手根管症候群

急性期、慢性期の腱鞘炎の症状

 一般的な腱鞘炎の症状は、炎症部位の腫れなど動作時の痛みが特徴です。これらの症状は適切な治療と安静により回復しますが、手指を多用する音楽家やタイピング動作を行う仕事に従事されている方では、十分な休息を取ることができないことが多く、症状が慢性化するケースもあります。
 慢性化した場合では症状が長期化し、或いは、発症を繰り返すことで、たとえ症状が緩和しても手指の可動域が小さくなったり、指の力が弱くなるなど演奏活動に後遺症を残すこともあります。また、炎症部位への抗炎症剤(鎮痛剤、ステロイド)を繰り返し注射した場合、腱や筋組織が瘢痕化や、動きに支障が出たりするなどの症状が出現することもありますので注意が必要です。

その他の腱鞘炎

 ドケルバン病は短母指伸筋腱と長母指外転筋が通るところ(嗅ぎタバコ入れ)に生じる腱鞘炎です。手首(手関節)の母指側にある腱鞘(手背第1コンパートメント)とそこを通過する腱に炎症が起こり、症状は手首の母指側に痛みと腫れが出現します。演奏運動では、オクターヴを弾くときなど母指を広げたり動かしたりする動作時の鋭い痛みを感じることがあります。

 演奏活動やスポーツでの手の使いすぎ、透析をしている人などに生じる傾向がありますが、一般的には原因不明とされています。ガングリオンなどの腫瘤も手根管症候群の原因になることがあります。

 腱鞘炎た手根管症候群は妊娠中または産後の女性や更年期の女性に起こることもあります。原因は血中女性ホルモン濃度の変化により筋組織が弛緩した状態になるため、筋に負荷がかかりやすくなることで腱鞘炎が発症することがあります。

鍼治療での対処

 広済鍼灸院では多くの音楽家治療の実績に基づいた精度の高い治療により、障害部位を特定し鍼治療をおこなっております。
 腱鞘炎の鍼治療は、腱鞘炎の原因部位を直接治療することで速やかに炎症を除去することを目的として治療を行います。鍼治療は腱鞘炎の炎症部位をピンポイントで狙うことができるため効果的かつ安全な治療法です。
 再発を繰り返すような腱鞘炎や、なかなか改善しない慢性的な腱鞘炎の場合では、頚や肩の筋の過緊張や不良姿勢による慢性疲労も関係する場合があります。このような場合は、肩背部から上肢の筋や神経の過緊張部位を正確に調べた上で施術を行います。
 また、腱鞘炎は外傷歴や精神的なストレス、また、産後や生理中の女性ホルモンのアンバランスからも腱鞘炎の発症に関与している場合もあり、手指や前腕部といった局所だけではなく全身の状態を改善するための東洋医学的な治療も行っております。慢性的な腱鞘炎にお悩みの方もご相談ください。

腱鞘炎の予防法について

腱鞘炎予防のためのストレッチ:演奏前後に手首をゆっくりと伸ばす 腱鞘炎予防のためのストレッチ:演奏前後に手首をゆっくりと曲げる 腱鞘炎予防のためのストレッチ:壁を使って腕を伸ばす。 ドケルバン病のテスト。親指を握り手首を下に曲げると痛みを感じる特徴があります。 腱鞘炎の予防に効果的なツボ:合谷、陽谿、外関、曲池 腱鞘炎の予防に効果的なツボ:内関、尺沢、曲沢

 当院では治癒後も腱鞘炎予防に効果的なストレッチ法を指導しております。また、演奏運動に伴う筋肉に負担をかける姿勢なども再発要因として考えられるため、姿勢のチェックなども同時に行っております。これらのアプローチにより、ストレッチやツボを押すことを実践することで腱鞘炎の予防効果を高めることができます。
スライド掲載のツボの位置
 これらのツボは運指運動に関係する筋に作用し疲労回復に効果的です。演奏後あるいは練習終了後に約10秒間ゆっくり押してください。

合谷(ごうこく):親指と人差し指の間のくぼみ
陽谿(ようけい):親指を立てたときにできる2本の腱の間にできるくぼみ
外関(がいかん):手関節の背面(手の甲側)央から指三本上のの中央
曲池(きょくち):肘を曲げた時に出来る皺(しわ)の外側(小指側)の端
内関(ないかん):手掌側の手関節から指3本分上の中央
尺沢(しゃくたく):肘内側の親指側の外側にあるくぼみ
曲沢(きょくたく):肘内側の上にあり、中央よりやや親指側のくぼみ