約１年に発症され、医療機関における検査所見から腰椎L4,L5に狭窄部位が認められ腰部脊柱管狭窄症の診断を受けました。症状は起床時の腰痛と、長時間座位姿勢をとることが多く、時間経過とともに臀部と下肢にしびれと痛みが増強する症状でした。医療機関では下肢の牽引や投薬により治療を行っていましたが、その後も改善傾向が見られず、当院を受診されました。鍼灸治療では週一回のペースで治療を行い、初回治療後より慢性的にあった下肢の冷感が改善し、以降１週間ごとに症状の軽減が見られ、治療開始後約2ヶ月の時点では鍼灸治療開始前と比較してVASスケール評価で痛みレベルが9から3に軽減、またしびれのレベルも8から3に改善傾向が見られました。座位姿勢時の不快感、また歩行時の間歇性跛行症状もありましたが、これらの症状も改善されウォーキングや水泳も楽しむことができる状態にまで改善されました。

発症後は約３年経過されていました。その間は鎮痛剤などを服用しながら日常生活を送られていましたが、日常生活動作に支障をきたすようになったため、老人ホームに入居。入居後も足のしびれや痛みがあったため、鍼治療を開始されました。往診治療を行いながら週1回のペースで治療を行いました。高齢ということもあり半ば足の症状に諦めかけていましたが、鍼治療開始後より、少ししびれや痛みの程度が改善されるようになり、3ヶ月時点では痛みレベルもVAS4までに改善されました。以降鍼治療は継続し、6ヶ月時では痛みレベルもVAS1または２まで軽減し、ご本人からも痛み症状をほとんど訴えることがなくなりました。以前は痛みが夜間もあったため、睡眠不足が慢性的にありましたが、痛みが軽減され良く眠れるようになったことから精神的にも穏やかな状態になり、老人ホームスタッフやご家族も安心されたようでした。