生理痛、月経前緊張症(PMS)、月経困難症
menopause disorder and acupuncture
月経困難症について |
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月経時に下腹部痛や腰痛などに疼痛を訴え、その症状が日常生活に支障をきたすようになることもあります。痛みは締め付けるようなものや鈍い痛みが続くこともあります。この痛みは月経直前から数日間続きます。その他頭痛や吐き気、便秘や下痢などを訴えることもあります。
原因 |
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月経困難症は原因によって大きく2つに分けることができます。一つは機能性月経困難症で、もう一つは器質性月経困難症です。機能性月経困難症は、体に異常はなく、排卵後に分泌され子宮を収縮させるプロスタグランジンというホルモンの過剰な分泌が原因で起こっていると考えられています。
一方、器質性月経困難症は、子宮筋腫や子宮内膜症などの病気が原因で起こります。器質性月経困難症は、機能性月経困難症とは違って、徐々に症状が悪化するのが特徴です。病気が進行するため、症状が悪化するのです。
月経困難症の鍼灸治療 |
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鍼灸では機能性月経困難症が適応となります。手足の主要な経穴や腰背部の反応点を見ながら、施術を行い、下腹部をあたため、子宮周辺の氣の巡りをよくすることを目的に治療を行います。治療のペースとして月経前5~10日前から、または月経直後に集中して施術をおこなうことが効果的です。
月経前緊張症(PMS)について |
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月経の2週間ないし1週間前から起こり、月経開始とともに消失する周期性のある一連の症状をいいます。身体的精神的な症状を示す症候群でPMSとも呼ばれています。女性ホルモンは、成長だけではなく自律神経や脳、骨、血管にも作用し生命活動には欠かすことのできない働きをしています。
女性は男性と異なり月経という女性固有のライフサイクルが持っています。そのため更年期に限らず月経によって起こるホルモンバランスの月内変動は環境や精神的ストレスなどの外的因子の影響を受けやすく、そのバランスが崩れると、様々な症状を引き起こしやすくなっています。
また、生活環境やストレス、個々の性格なども大きく影響を及ぼすと考えられており、症状としては下記の様なものが挙げられます。
身体的な症状 |
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1.下腹部膨満感 |
2.下腹痛 |
3.頭痛 |
4.乳房痛、乳房が張る |
5.腰痛 |
6.関節痛 |
7.むくみ、体重増加、脚が重い |
8.にきび |
9.めまい |
10.食欲亢進 |
11.便秘あるいは下痢 |
12.悪心,動悸など |
精神的な症状 |
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1.怒りやすい、反感、闘争的 |
2.憂鬱 |
3.緊張 |
4.判断力低下、不決断 |
5.無気力 |
6.孤独感 |
7.疲れやすい |
8.不眠 |
9.パニック |
10.妄想症 |
11.集中力低下、気力が集中できない |
PMSの原因 |
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PMSの明確な原因ははっきりしておりませんが、卵巣ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)が月経前に増えることによって、神経伝達物質のひとつであるセロトニンの異常分泌(または低下)によるもの、また、女性ホルモンに対する感受性の強さによるという説、遺伝的な素因などもあげられます。
PMSの鍼灸治療 |
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主に下腿、腰背部に施術を行いますが、心理的なストレスや疲労がPMS症状を増悪させている場合もありますので同時にそれらを取り除くための全身調整治療も行います。月経周期とシンクロして治療を行うのも有効であるため、当院に来られる方には月経開始の一週間前に来院することをおすすめしております。
生理(月経)のトラブルは卵巣ホルモンの不調からおこる事が多いのですが、症状によって注意するポイントが多少変わるため、自分の異常パターンを把握することが必要です。
また生理の出血と思っていたことが、実は流産などの異常妊娠や、腫瘍による場合もあり、妊娠反応検査や超音波検査などを必要に応じて医療機関で行うことも大切です。
参考研究の紹介 |
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Electroacupuncture modulates reproductive hormone levels in patients with primary ovarian insufficiency: results from a prospective observational study. Zhou K1, Jiang J, Wu J, Liu Z. Evid Based Complement Alternat Med. 2013 Feb 28.
【解説】
この研究は卵巣機能不全患者に対して電気針治療を行い、その結果、生殖関連ホルモン(FSH:卵胞刺激ホルモン、E2:卵胞ホルモン、LH:黄体形成ホルモン)がどのように変動したかについて調査した研究です。この研究によれば、4週間に期間に電気針治療を受けた11名の卵巣機能不全患者(POI)が、初診時と比較して3ヶ月後に血清生殖ホルモンを測定したところ、11人中10名(90.91%)
E2は増加し、FSHとLHは減少したことが観察されました(P = 0.002, 0.001, and 0.002)。またこの効果は治療終了後の2ヶ月間継続したことが観察されました。
この研究の結果から電気鍼治療は卵巣機能低下を示す指標であるFSHとLHを上昇させたことにより、卵巣機能不全状態を改善させたことが示唆されました。今後も、この研究者らは対象者を増やしより精度の高い研究を行う予定です。