設立の言葉
この度、広済鍼灸院では演奏身体科学センターを創設し、音楽関係者を対象に、身体ケアに関する知識と予防法の普及を目的とし設立する運びとなりました。ここでは、演奏に関するからだの使い方を研究し、予防、改善のため方法を治療に役立てる方策を立てていきます。また、演奏家の方々を対象に、音楽家特有の疾病の予防法や身体ケアについてのセミナーを提供いたします。どのような疾患でも未然に防ぐことが大切ですが、「どう防ぐか?」ということになると明確で効果的な方法について即答できないのが現状です。また、個々人の身体的パーソナリティーは異なるため、一様なケアの指導方法ではなく、それぞれの身体的特性に合った指導法が重要になってきます。
私共の強みは年間相当数の音楽関係者を診察しており、その故障の発症メカニズムや、また楽器別に起こる可能性の高い疾患等を臨床経験から把握していることです。このような経緯から長年培われたデータをもとにケア方法を指導し、また、セミナーを行うことで、我々スタッフ一同、音楽家の皆様のより良いキャリア形成と健康な体で音楽家としての人生を歩まれることに貢献していきたい所存でございます。
「音楽家の身体ケア」講座について
音楽家は演奏時に特定の筋肉を過度に使用することから、しばしば故障する経験をお持ちの方も多いと思われます。ハーバード大学の研究では約8割の音楽関係者に何らかの痛みや疾患を抱えていることが報告されています。手や指などの体の局所をする音楽家の場合では、一度故障すると、治療期間中や回復期に練習を控えなけらばならないため、演奏家にとってのデメリットは多く発生します。
また、心理的なプレッシャーも生じるため、たとえ改善しても演奏に支障をきたす場合もあります。本講座では内容講義とセッション(講義、対面レッスン実技、セルフケア方法の実技)の形式をとり、故障の予防と腱鞘炎やフォーカルジストニアといった音楽家に多い疾患を未然に防ぐことに重点を置いた内容構成となっております。
個人セッションセミナーの内容について
故障した場合には治療をしっかりと行うことも大切ですが、まずは予防することが先決であり、音楽家としての充実したキャリアを築く上でもケアや予防が最重要の課題となります。
音楽家は特定部位の筋を頻用する点ではスポーツ選手と似ている点もありますが、音楽家の場合、トレーナーや体に関する指導者が短に入るスポーツの現場とは異なり、からだの構造に関する知識に関しては不足しがちな現状があります。そこで専門的知識を身につけた当院スタッフによる総合的な視点から体の使い方を考え指導していきます。
対象者
ピアニスト、管楽器奏者、ギタリスト、ヴァイオリニストなどの演奏家。音楽大学学生、高校生。
プロ、アマは問いません。
講座内容について
目的に応じて総合的にケア方法を実践する1回のみの講座(90分程度)から、楽器別のより細かな体のケアを行う3回〜5回の講義で構成された講座をご用意しております。
講座構成の例(5回コース)
第1回:演奏動作に関する予備知識
第2回:筋肉、神経についての講義
第3回:治療例についての解説、施術セッション
第4回:呼吸法とセルフケアについて(ストレッチ解説)
第5回:動きの評価(不調時からの脱却方法)
教育関係者の皆様へ
大学、研究機関、音楽教室などに出張し、講義やセッションを行うことができますのでお気軽にお問い合わせください。
活動実績
2013年〜2014年:東京藝術大学音楽学部 特別講座