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筋・筋膜性疼痛症候群(MPS)は頭部・頚部・顎関節・肩・腰部というようにほぼ全身の筋組織
に痛みを訴えることが症状の主な特徴です.とりわけMPSの最大の特徴は,トリガーポイント(TP)と
いう筋線維や筋膜にできる硬結状の圧痛点がみら
れることです.
TPに圧迫を加えると,かなりの痛みを伴った関連痛や時として筋の痙攣が引き起こされることがあります.TPは通常急性,慢性の外傷が筋肉,腱,靭帯,関節,椎間板,神経などに加わった結果生ずるともいわれています. また,スポーツ外傷や交通事故,手術後,炎症性疾患の後遺症などとして起こることもあります.
通常,筋の痛みは筋の虚血状態と,乳酸などの代謝産物の蓄積などによって引き起こされることがわかっており,長時間のデスクワークなどの同一姿勢を続けることは筋弛緩があまり起こらないため筋緊張を引き起します.その結果,筋が虚血状態に陥り乳酸が蓄積され痛みの原因を形成するようになります.例えば激しい運動をした翌日になってひどい筋肉痛が起きることがあり ますが,これも運動による極度の筋の緊張状態を作り出し乳酸が生成された結果です.
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鍼灸での治療法
疲労や外傷による筋組織の傷害,慢性的ストレスの影響を受けて形成されたTPがストレッチや運動をすることによって自然治癒できる可能性は極めて低く,改善するためには何らかの物理的な介入が必要となってきます.数ある物理的療法の中でも鍼治療はMPSに対して効果的な治療法です.
当院では自律神経測定器などを用いることによって,より正確な治療効果を引き出すことができます.TPに刺鍼後,刺鍼部位をサーモグラフィによりTP部分の温度変化を
追跡した実験では,刺鍼前でのTPでは温度の低い状態がモニターされましたが, 刺鍼後では体温の上昇がみられました.
TPは酸素欠乏下で代謝が亢進している部分であるという説も証拠により裏づけられています.
また,「トリガーポイントのある部位では,交感神経活動の亢進を示す,立毛
筋の収縮(鳥肌),発汗,さらには血管収縮なども観察される」(川喜田健司教授,明治鍼灸大学生理学教室)とのMPS治療に効果的と論拠付けられる報告もあります.
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