逆子・安産の鍼灸                   

for breech baby and easy labor                                       

 

  

■  逆子の鍼灸治療 

 逆子(骨盤位)での分娩は全分娩の3−5%を占めるといわれており、逆子に伴う主な問題として早産や分娩困難等の問題もあります.また、分娩に際して、分娩に時間がかかる上、赤ちゃんが仮死状態で生まれてきたり、鎖骨骨折を起こすなど、正常分娩に比べて危険性の高いお産になります.

  一般的に逆子になる決定的な原因は不明ですが、東洋医学では下半身の冷え等がその原因となると考えられています.胎児の発育に最も大切な部位は頭部であるとされており、下腹部や下半身に「冷え」があるとその成長に妨げになると考えられています.胎児は自己防衛のために冷えている下腹部から頭を守るため、「逆子」になるといわれています.

 鍼灸が逆子の矯正に有効であることは古来より認められており、その治療はわが国でも行われてきました.東洋医学では逆子になりやすいタイプの体質分類がなされており、主に骨盤内腔や下半身の血流がよくない場合に多いとされています.三陰交、至陰といった逆子治療のツボはよく知られていますが、当院では各人の体質を考慮した上で不定愁訴や子宮、骨盤部への血流を改善する鍼灸治療を加えることで矯正効果を高めています.

 ツボへの鍼灸刺激は血液の末梢循環を改善するとともに骨盤底筋や子宮関連筋系に作用し、胎児の自己回転を促す効果をもっています.また副作用等の心配は無く安全な治療法です.逆子の治療開始期は妊娠26−29週くらいを目安にはじめることが最も効果的ですが、34週前後でも改善例は認められています.

 

 ■ 安産のための鍼灸

 鍼灸には妊娠初期から臨月までを順調に送り、安産で終えて、産後の肥立ちも良くする、妊娠から出産後まで過程を順調に保つ効果があります. 安産のお灸も逆子の治療と同様に古来より行われてきました.胎児を健やかに成長させ、安産に導く治療です.妊娠後期になると胎児が成長するため妊産婦自身への身体的ストレスも過多になります.疲れやすくなったり、腰痛や仙骨痛をより感じやすくなることが多くあります.

 腰痛などの骨に関する痛みは、体が出産に備え 骨盤を開きやすくするためにホルモンが分泌されることによりますが、それらはいわゆる自律神経症状を示とがあります.鍼灸ではそういった症状を軽減される効果があるので、妊娠中にかかる特徴的な身体的負担(腰痛・足のつり・便秘・むくみ・気分の落ち込み等)を軽減し、お産に有効な陣痛がつきやすく お産が軽すんだとの報告も寄せられています.

 
・ケース1 32歳

  一人目を出産したが、出産時に約20時間に渡る激しい陣痛に苦しむ.今回は二人目の出産を控えておりそのため鍼灸で何とか前回のような陣痛を軽減したいとの相談 であった.実際に問診してみると、元来冷え症があり頸部痛や不眠等の不定愁訴を抱えていた.神経過敏な所見もあり出産予定日の数日前まで筋緊張を取るための施術を行う.お産の報告を後日直接本人より受け、「前回とは格段に楽であった」とのこと.

・ケース2 40歳

 予定日を過ぎても陣痛が起こらないため鍼治療を受診。1日おきに計3回鍼治療を受け、出産準備のため再入院。再入院時には陣痛が起こり無事元気なお子さんを出産された。この方の夫は欧米系であった。東洋人女性と欧米人男性のカップルでは、通常よりも胎児が大きく成長することがある。このことが原因かどうかは定かではないが、陣痛がなかなか起こらないことがある場合がある。鍼灸はこのようなケースには古来より有用であるといわれている。

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